十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第2章 2
「なあ、どっち?」
より翔くんとの近くなったことで、僕の羞恥心が一気にマックスまで上昇する。
しかも…
「ほら、早く答えないと、ずっとこのままだよ? いいの?」
意地悪く言いながら、僕と翔くんの間で揺れる僕の中心まで握られちゃって…
「駄目っ…、無理っ…」
堰き止められる苦しさに、言葉なんて出る筈もない。
僕は頭を振って懇願するけど、翔くんは一切聞き入れてくれなくて…
「ふーん、そっか…。智くんとこうなれて喜んでるのは俺だけで、智くんはそうでもないってことか…」
え、ちょっと?
どうしてそうなるわけ?
「寂しいな…」
「ち、違っ…」
「何が?」
「ぼ、僕…だって…、嬉し…に決まって…んじゃん…」
「じゃあ…、気持ちいい?」
「え、あ、う、う…ん…」
やっとの思いで絞り出した言葉は、その場凌ぎでもなんでもなく、正真正銘僕の本心。
ただ、気持ち良いかと問われたら…、痛いやら苦しいやら、恥ずかしいやらで、正直ちょっと分かんない。
とはいえ、気持ち良くなかったら、僕の中心がこんな状態になるわけないから、やっぱり気持ち良いんだと…思う。
「そっ…か…、俺も…気持ちいいよ」
良かった。
凄く怖かったけど、こうして翔くんを受け入れられたことを…
そして、翔くんに喜んで貰えてることを…
心から〝良かった〟と思えた。