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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第12章 12


「だぁーっ、やっぱ言えねぇ…」

顔を真っ赤にして、砂の混じった髪を指でガシガシッと掻くと、両手で僕の肩を抱き寄せ、僕の肩口に顎を載せた。

よっぽど緊張しているのか、吸っては吐き出す息が、僕の首筋にかかって、ちょっぴり擽ったい。

僕は翔くんの背中に両手を回し、呼吸をする度上下する背中をそっと撫でた。

「絶対…なんて約束は出来ないし、また智くんのこと泣かせるかもしんないけど…

この先十年…いや百年、俺と一緒にいてくれないか?」

一息に言って、漸く顔を上げた翔くんの顔は、僕が今まで見てきた翔くんのどの顔とも違って、凄く強い決意…ってゆうのかな、浮かんでいて…

僕は思わずドキッとしてしまう。

「返事…は?」
「あ、え、あっと、その…」

多分…だけど、翔くんと出会ってから約二十五年、ずっと欲しくて欲しくて堪らなくて…

漸く貰えた愛の告白的な言葉。

凄く嬉しくて…
涙が出そうになるくらい嬉しいのに、どう返して良いのか分からなくて…

俯いてしまった僕の顔を、答えを急しているのか、翔くんが覗き込むから、僕は不意に目を逸らしてしまう。


ってゆうか、そんな近い距離で見つめられたら、余計にドキドキしちゃって、ただでさえ口下手なのに、言葉なんて出てこないよ…
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