十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
結局、服が濡れるのも気にせず、一目散に海へと飛び込んだ僕達は、まるで学生時代…ううん、小さな子供に戻ったみたいに、水をかけ合い…
すっかりずぶ濡れになった僕達は、潤さんが木陰に張ってくれたサンシェードの下に腰を下ろした。
砂浜では、雅紀さんが首だけを出した状態で埋められていて…
それを見てニノがお腹を抱えて笑っていて、サングラスで表情は分からないけど、潤さんも珍しく声を立てて笑っている。
「何か、こういうの懐かしくない?」
「うん、そうだね」
「つか、ガキかっつーのな?」
「でも楽しそうで良いんじゃない?」
僕が言うと、翔くんが「そうだな」って、まるで一人言みたいに呟いてから、その場に仰向けになるから、僕も同じように仰向けになる。
木陰なのと、サンシェードのおかげなのか、たまに吹く風が火照った身体に気持ちが良くて…
昨夜ろくに寝られなかったせいもあってか、自然と欠伸が出てしまう。
咄嗟に手で口を押さえたけど、翔くんがそれを見逃す筈もなく…
「昨夜の智くん、凄かったもんな?」
なんて言うから、一瞬で僕の顔が熱くなる。
「そ、それはだって、久しぶりだったし、それに…」
翔くんが僕の弱いとこばっか攻めるから…
って言いたいとこだけど、僕はその言葉を飲み込んだ。