十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
分かり易くガックリする僕の横で、翔くんがお腹を抱えて笑う。
…って、まさか翔くん…
「グル…ってわけじゃない…よね?」
「さあ、どうだろうな?」
翔くんが意地悪く笑って、目の前でニタニタしてる三人とハイタッチを交わす。
そして僕の背中をポンと押してから、三人に向かって目配せをしてから、「行こうぜ」と僕の肩に腕を回した。
「ど、どこへ?」
「決まってんでしょ、海だよ、う・み!」
何が何だか、未だ現状が掴みきれていない僕に、雅紀さんが心底嬉しそうな顔でウインクをしてくる。
海よりも、僕は何がどうしてこうなってるのか、ちゃんと説明して欲しいんだけど…
でも…
「よし、行こうぜ」
「行きましょ行きましょ」
「おい、日焼け止め忘れるなよ?」
確かに気になることは山程あるし、誰が立てた計画かも分かんないけど、そのおかげでこうしてニノや雅紀さんにも会えたんだもんね?
そう考えたら、この状況もそう悪くないかも。
「俺らも行こうぜ?」
「うん」
翔くんが僕の肩を抱いたまま、先を歩く三人の後を追うように歩き出す。
あ、でも…
「ねぇ、僕海パンとか持ってないけど…」
「そのままで良くね? それとも真っ裸でも俺は良いけど?」
言いながら、翔くんが僕の耳に口を寄せた。
ってゆうか、それって…
翔くんが見たいだけなんじゃないの?
もぉ、エッチなんだから…