十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
汚れた下着を持ったまま呆然とする僕。
でも替えの下着なんて持っていない僕は、仕方なく汚れた下着を身に着けようとするけと、流石にやっぱり…な感じで…
結局、翔くんに替えの下着と服を借り、漸く身支度を整えた僕は、翔くんに手を引かれ、エレベーターで三人の待つエントランスまで降りた。
すると、エレベーターのドアが開くと同時に、三人のニヤケ顔が僕達を振り返った。
「あーあ、ただでさえ暑いのに、手なんか繋いじゃってさ、暑苦しいったらありゃしない」
相変わらずなニノの嫌味口調に、翔くんが隣りで小さく息を吐き出し、ちょっとだけ肩を竦める。
ってゆうか、前は人前で手を繋ぐのも恥ずかしがってたのにね?
なんか変な感じだけど、ちょっと嬉しいかも。
「あ、ねぇ、ところで何でここにいるの?」
「それはさ、何て言うか…さ…、アレだよアレ…」
僕の問いかけに、身振り手振りを交えながらも、しどろもどろになる雅紀さん。
「社員旅行…だろ?」
代わりに答えたのは潤さんだ。
ってゆうか…
「打ち合わせじゃなかったの?」
「ああ、そうだが?」
「え、でも…」
「お前を驚かせる為のな」
「嘘…でしょ…?」
だって、仕事だと思ってたから、僕、ずっと炎天下で待ってたのに?
マジ…ですか…