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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第12章 12


「何で皆いるの? え、どうして?」

全く理解不能な状況に、当然のように混乱する僕を、隣で翔くんがクスクスと肩を揺らして笑う。

そして僕からスマホを取り上げると、「すぐ行く」とだけ言って、勝手に電話を切ってしまった。

「ね、ねぇ、説明して?」
「説明も何も、そういうことだろ」
「はあ?」


いやいや、それ全然説明になってなくない?


翔くんとバルコニーの下とを交互に見る僕を残し、翔くんはさっさと着替えを済ませると、いくつかの鍵がぶら下がったキーリングを指に引っ掛けた手で、僕にミネラルウォーターのボトルを投げて寄越した。

「話は後でするから、一旦落ち着いたら?」

翔くんは言うけど、僕はとてもじゃないけど落ち着いてなんか居られず…

とりあえず冷えたミネラルウォーターを喉に流し込むと、抜けそうになる腰を押さえながら、玄関先で待つ翔くんの元へと向かった。

「なあ、その格好で外は…、流石にまずくないか?」
「え?」
「いや、せめて下着くらいは…」

言われて、僕は自分がTシャツだけを着た状態で、下半身は丸出しだってことを思い出した。

「俺は別にそれでも構わないけどな?」
「だ、だめ、絶対だめ!」

僕は慌てて寝室に引き返すと、床に散らばったままの服を拾い集めた…けど、どれも汗やらナニやらでベタベタで…

特に下着は当然のように酷くて…
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