十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
腰を擦りながら、ニノとのLINE画面を開いた僕は、肩をガクッと落とすと同時に、深い深いため息も落とした。
だってさ、ニノから送られて来たスタンプ、全部ニタァッと笑ってたり、鼻血出してたりで、全く意味分かんないんだもん。
結局、返信しようにもどう返したら正解なのか分からず、僕はそのままニノに電話をかけることにした。
…けど、何度コールしてもニノが電話に出ることはなく…
もしかしたら時差のせいで、まだ寝ているのかもしれないと思った僕は、この時間でも確実に起きているであろう、雅紀さんに電話をかけることにした。
潤さんには、雅紀さんとの電話が終わってからかければ良い…と、そう思っていた。
なのに…
「随分とお楽しみだったようだな」
電話の向こうから聞こえて来たのは、雅紀さんでもニノでもなく、日本にいる筈のない潤さんの声で…
「え、え、ちょっと待って? どうゆう…こと?」
状況が全く飲み込めず、混乱する僕の肩に、ついさっきまで枕代わりにしていた腕が回された。
「下、見て?」って。
「え、なに? どうゆうこと?」
「良いから、下見てみろって」
何が起きてるのかさっぱり分からない僕は、翔くんに言われるまま、バルコニーの下を見下ろした。
「え、え、何で? どうして?」
そこには、潤さんだけじゃなく、ニノも雅紀さんもいて…
僕がいるバルコニーに向かって、滅茶苦茶笑顔で手を振っていた。