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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第12章 12


お互い、10年の間胸の奥に閉じ込めていた想いをぶつけるように、吐き出しては求め合い、また吐き出して…

そんなことを繰り返してるうち、必死で繋ぎ止めていた意識の糸が、プチッと音を立てて途切れ…

次に僕が目を覚ましたのは、10年前と変わらない…いや、更にパワーアップした翔くんの豪快な嚊のせいだった。

だから、僕が意識を飛ばしたその後のことは…

正直〝何も〟ってわけじゃないけど、殆ど覚えていない。

翔くんが僕の名前を呼んでたのも、どっか遠くの方で聞こえてはいたし、耳元で何か…そう、多分…だけど、僕がずっと欲しかった言葉をを囁かれたのだって、朧気ではあるけど、覚えてる。

僕はギシギシと軋む身体をゆっくり起こし、翔くんを起こさないよう、静かにベッドから出ると、スマホを手にバルコニーへと出た。

迎えを待つことなく、勝手に場所を移動した上に、無断で外泊までしてさはまった僕を、潤さんのことだからきっと心配してる筈。

そう思って手にしたスマホに目を向けるけど…


あ…れ…?


不思議なことに、スマホの画面には、潤さんからの通知は何一つ表示されず…

その代わりに…ってのも変だけど、ニノからのLINEの通知だけが、いくつも並んでいる。

それも、スタンプの送信通知ばかりが、ズラーッと…
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