十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
じっくり時間をかけたキスから解放され、肩で息をする僕の首筋に翔くんの指先が触れた。
次に何をされるのか瞬時に気付いた僕は、別に今更恥ずかしがる必要もないんだろうけど、咄嗟に胸元を手で隠した… けど、そんなの翔くんの前では無駄な抵抗ってやつで…
「ちゃんと見せてよ」
たった一言で、僕はあっさり降伏してしまい…
僕が手を退けると同時に、ついさっきまで僕の口の中で暴れていた翔くんの舌が、僕の胸先をペロン…と舐めた。
たったそれだけのことなのに、僕の身体がビクンと跳ね上がり、僕の脳裏には古い記憶が蘇って来た。
ああ、そうだこの感覚…
そう、他の誰と何度身体を重ねても、どうしても感じることの出来なかったこの感覚は、翔くんだから感じられる特別な物。
どうしよう…、胸が熱くなる。
「もっと…舐めて…?」
僕はもっと強い刺激が欲しくて、翔くんの肩に両腕をかけながら強請った。
さっきまで裸を見られることすら恥じらっていた僕は、もうどこにもいない。
心と、それから身体が求める欲求と欲望に従うだけだ。
「変わんないね、智くん。ここ、こうされるの、昔っから好きだったもんね?」
言いながら、翔くんの指が僕の胸の先をピンと弾く。
それだけで僕は…
「あぁ…っ…」
口から勝手に漏れる声が抑えられなくなってしまう。