十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
翔くんに掴まれた僕の手が、僕の意思とは関係なく下へ下へと降りて行き…
「あっ…」
辿り着いた先にあったのは、僕と同じくらいに膨れた翔くんの中心で…
「分かる?」
布越しでも分かる程、硬くなってるのが、触れ指先からも伝わって来る。
「翔くんも溜まってる…の?」
こんなこと言ったら、翔くんの事だから「んなわけ無いだろ」とか、「意味分かんねぇ」とか言われると思いながらも、ついつい漏れ出てしまった心の声…
すると翔くんは一瞬クスリと笑ってから、すぐに真剣な表情に変えて…
「ああ、そうだよ、滅茶苦茶溜まってる。だって考えてもみてよ、10年も智くんに触れられなかったんだぜ?」
そっか、そうだよね、途中で何度も寄り道した僕と違って翔くんは…
「キス…して?」
「キスだけで良いの?」
「全部だよ。翔くんの全部が欲しい」
僕の心にポッカリ空いた穴を、翔くんで埋め尽くして欲しい。
「翔くん…は?」
「俺も欲しいよ。智くんの全部が欲しい」
「うん…」
僕が頷くと同時に、ゆっくりと翔くんの顔が降りて来て、僕が目を閉じる間もなく、翔くんと僕の唇が重なった。
僕のの唇の感触を確かめながら、徐々に激しくなって行く翔くんからのキスは、相変わらず息をするのも忘れるくらい乱暴で…
でもちょっとだけ違うのは、翔くんの唇がカレーパンの味だった…ってことかも。