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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第12章 12


「でもさ、ブッサイクでも智くんは可愛いよ」


ちょっと待って?
ブサイクでも可愛いって…何?

ってゆうか…
初めて…かも、翔くんに可愛いなんて言われたの…


「本気でそう思ってる?」
「当たり前でしょ? 俺が智くんに嘘ついたことある?」
「ない…と思う」

思えば、いつだって翔くんは僕には正直で、素直な感情を僕にぶつけて来ていた。

時には翔くんの素直過ぎる感情が、僕を寂しくさせたり、悲しい気持ちにさせたりもしたけど、それが翔くんの嘘偽りのない気持ちだってことを、僕はすっかり忘れていた。

だからこそ一歩が踏み出せなかったりしたけど、でも今は…

「じゃあ…、僕のこと今でも好き?」
「あのさぁ、好きじゃなかったら、毎日毎日パン買いに行くわけないだろ?」

確かに…

「なんなら冷凍庫見る? 智のカレーパンだらけだぜ?」
「そんなに…?」
「だって、毎日毎日10個以上も買ってたら、流石に消化出来ないでしょ」

それは…そうかも。

「飽きないの?」

作ってる僕でさえ、最近はちょっと飽きて来ちゃって、別の味を…って考えてるのに。

「うーん…、俺は飽きないかな」
「何で?」
「それはだって…、カレーパン1個1個に、智くんの気持ち…っつうかさ、愛情?みたいなの感じるからさ…」

そんな風に考えてくれてたなんて…

ちょっとどころか、だいぶ嬉しいかも。
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