十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
「いつ…別れたの?」
別に聞く必要もないし、なんなら聞きたくない。
でも知りたかった。
僕達が離れてから、翔くんがどこでどう過ごして来たのかを…
「誰と…?」
「前の恋人…と」
「は?」
「いたんでしょ?」
僕は今度こそ身体を起こして、両腕を枕に寝転がる翔くんを見下ろした。
「いないよ、恋人なんてずっと…」
「嘘つかないでよ」
今更ボクの前で嘘とか、らしくないよ。
「嘘じゃないって、本当に…」
こんな感情になることって、あんまりないんだけど…
なんかムカつく。
「じゃあさ、あの写真は何なの?」
雅紀さんに見せられたあの写真は、今でも僕の目に焼き付いてるし、あの時の衝撃は、今でも忘れられない。
「写真…って?」
「とぼけないでよ。僕、見たんだから。翔くんが、金髪の男の人と、ペアの指輪してる写真…」
やだな…
「ああ、あれか…。あれは…」
「ヘラヘラしちゃってさ…。あんな顔、僕の前では一度もしたことないのに…」
マジでヤダ…
こんな風に翔くんを責めたいわけじゃないのに…
「あの人の方が、僕より良かった?」
「はあ? お前何言ってんの?」
「だから…っ…!」
自分が惨めで、情けなくて…
どんどん自分が嫌になる。