十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
そのまま僕の意識はどんどん遠くなって…
って言っても、フワフワ宙に浮いてる感覚だけはあったんだけどね?
でもまさか…だよね。
目を覚ました僕がいたのは、僕が全く知らない場所のベッドの上で、しかも僕の隣には、やたら心配そうな顔して僕を見る翔くんがいるんだもん。
そんな状況、信じられるわけないじゃん?
今度こそ本当に夢を見てるんだと思って、僕は自分のほっぺたを指で抓った。
しっかり痛い。
…ってことは、これも夢じゃない?
「あの…、ここ…は?」
「俺の部屋」
…ってことは、今僕が寝てるこのベッドは、翔くん…の?
「ご、ごめん…」
咄嗟に謝って、身体を起こそうとした僕を、翔くんが押さえ込で、僕はベッドに押し返される。
「いいから、もう少し寝てろって」
「で、でも…」
「つかさ、いきなりぶっ倒れるとか、マジでビックリしたし…」
倒れた…って、僕が?
確かに、一瞬目の前が真っ暗になった記憶はあるけど、その後のことは全く覚えてない。
「ごめん。怒って…るよね?」
「いや、別に怒ってはないけど、ただあんま驚かせてくれるな…っつうかさ…」
口では怒ってないって言ってるけど、本当は怒ってるよね?
だって翔くん、昔からそうだったもん。
口と本音は違う…ってさ。