• テキストサイズ

十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第12章 12


会いたかった…
ずっと会いたくてどうしようもなくて…


だからかな、抱き着いたまま離れたくなくて…

でもずっと抱き合ったままでいると、ただでさえ気温が高いのに、お互いの体温まで重なって、シャツがジットリするくらいに汗ばんでくる。

「あっちぃ…」

言われて漸く我に返った僕は、慌てて翔くんから離れた。

「ご、ごめん…、いきなりで…」
「ほんとだよ、ったく…」

翔くんがシャツの胸元をパタパタさせながら、フッと息を吐き出す。


怒った…?

だよね…、いきなり抱き着かれたら、誰だってビックリしちゃうし、怒っちゃうことだってあるよね。

ましてや翔くんには…


「ご、ごめんね、久しぶりに顔みたらつい…」

僕は翔くんと距離を取るように、ベンチの上で位置をずらした。

そしたら翔くん、凄く変な顔してて…


やっぱりイヤだったんだ…


僕は咄嗟にそう思った。
でも実際は違ってて…

「何で?」
「え、何で…って、何…が?」
「いや、だってあんまりくっついてるのもどうかな…って…」

だって翔くんには恋人がいる筈だし、もしかしたらどこか離れた所から、今のこの状況を見ているかもしれない。

だとしたらあんまり近くにいない方が、翔くんのため…だよね?
/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp