十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
「ねぇ、膝枕して…って言ったら怒る?」
隣でスマホを弄り出した潤さんに言う。
すると潤さんは少しだけ驚いた顔をして…
「怒りはしないけど…、何でた?」
何で…と聞かれても、特に理由なんてないし、それに恋人でもない潤さんに膝枕強請るとか、間違ってるのかもしれないけど、単純に人肌が恋しくなった…ってゆうか、少しだけなら誰かに甘えても良いのかな…って思って。
「ダメ?」
「駄目じゃないよ。ほら…」
そう言って潤さんは僕の肩を引き寄せ、頭を膝の上にそっと置いてくれた。
「このまま寝ちゃうかもしんないけど、良い?」
だって、すっごく眠たいんだ…
「ああ、勝手にしろ」
「ありがと…」
僕の身体にブランケットがかけられ、潤さんが空いた手で僕の背中をトントンと叩いてくれる。
何だか赤ちゃんになった気分だけど、一定のリズムが心地よくて、凄く落ち着く。
「ねぇ、さっきからスマホと睨めっこしてるけど、何かあったの?」
僕の背中を叩きながら、もう一方の手は、ずっとスマホの上で忙しなく動いている。
「ああ、ちょっと調べたいことがあってな…」
「ふーん…、大変なんだね、社長さんも…」
「まあ…な…」
僕は潤さんの言葉に何の不審を抱くこともなく、瞼を閉じ、眠りに落ちた。