十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
「愛してるよ…、今でも変わらず、僕は翔くんを愛してる。でも…」
それを言ったからって、もう僕と翔くんが以前のような関係になることは、決してない。
だって翔くんには、僕以外の大切な人がいるから。
それでも僕は…
「分かった。だからもう泣くな」
「だって…」
泣かしたのは潤さんじゃん。
なのに「泣くな」ってさ、酷くない?
「俺はただ、お前がまた辛い思いをするんじゃないかって、思って…」
「僕はもう前の僕とは違うよ?」
少しは大人になったつもりだもん。
「分かってるよ。分かってるけど、嫌なんだよ、お前の苦しむ姿見んのがさ…」
「潤…さん?」
ああ、そっか…
潤さんは今でも僕のことを…
いつだって潤さんは、僕のためにずっと傍にいて、僕が躓きそうになると手を差し伸べてくれて、支えてくれて…
なのに僕は…
「もう泣かない」
「は?」
「どんなに辛いことや、悲しいことがあっても、僕はもう泣かない」
「いやいや、そうじゃなくてだな…」
え、違う…の?
そうゆうことじゃない…の?
「だって、僕の泣き顔見たくないんでしょ? だから…」
僕が言うと、潤さんは明らかにガックリと肩を落としていて…
でもすぐに大笑いを始めた。
…ってゆうか、潤さんでもそんな風に笑うことあるんだ?
初めて見たよ。