十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
「で、お前はどうしたいんだ?」
僕の涙が止まった頃、潤さんが言った。
正直、どう答えて良いか分からなかった。
だって、僕達が別れてもう十年が過ぎてるし、今更どうこうしようなんて気は…〝無い〟とは言いきれないけど、多分どうこうなることは無い。
だから今翔くんと会ったからって、これまでと何かが変わることも無いんだろうけど、でも…
「確かめたい…ってゆうか、聞きたい…ってゆうか…」
「何を?」
「それは…だから、あの後どうして連絡を絶ってしまったのか、とか…」
他にも聞きたいことはや、気になることは一杯ある。
でも僕が一番聞きたいのは、やっぱりあの日…僕と父ちゃんが乗った車が事故に遭った日のことだ。
「それを聞いてどうする?」
「どうもしないよ。たださ、自分の中でスッキリさせときたいだけなんだ」
あの日のことを思い出すと、今でも胸の奥がモヤッてするから。
「本当に?」
「え…?」
何が言いたいんだろう?
「本当に、自分がスッキリしたいためだけに、彼に会いたいのか?」
「どうゆう…意味?」
潤さんの目と言葉が、僕の胸に小さな痛みと共に突き刺さる。
そして…
「まだ愛してるんだろ?」
そう言われた瞬間、小さかった痛みは、大きな痛みへと変わり、再び僕の涙腺を崩壊させた。