十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第12章 12
僕はホテルの自室に戻ると、ニノに国際電話をかけた。
SNSに疎い僕にくらべ、ニノはそっち方面には強いから、ひょっとしたら何かしらの情報が得られると思ったからだ。
勿論、僕が何もしなかったわけじゃないけどね?
全部人任せ…ってのはさ、やっぱ良くないじゃん、自分のことなのにさ。
ただ、僕に出来ることは少なくて…
多分ジェシーから聞いたんだろうね、仕事から戻った潤さんが、僕の部屋のドアを叩いた。
潤さんは僕の話を聞くなり、「分かった」とだけ言って、どこかに電話をかけ始めた。
暫くして電話を切った潤さんは、真剣な表情で僕を見ると、「間違いない」と言った。
「それ…って…」
聞き返した僕に、潤さんは無言で頷くと、僕の肩をそっと抱き寄せた。
その時になって漸く、僕は自分が泣いてることに気が付いた。
だって泣いてるなんて思ってなかったし、なんなら泣くつもりなんてなかったのに、勝手に涙が流れて来るんだもん。
「泣くのはまだ早くないか?」
潤さんがティッシュを僕に差し出しながら、僕の髪をクシャッと混ぜた。
「分かってるよ…」
僕だってこんなことで…って思うよ。
でもさ、どうしてだか分かんないけど、涙が止められないんだもん。