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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第2章 2


「俺、先飲んでるからね」
「あ、あ、うん…」

上半身裸のままベッドの端に座り、レジ袋の中から缶ビールを取り出す翔くん。

距離が少しだけ近くなったせいか、さっきよりも更に心臓がバクバクと大きな音を立てるから、僕は急いでバスローブをと下着を手にすると、バスルームへと駆け込んだ。


だって、心臓の音聞こえちゃいそうなんだもん。
変なこと考えてるって思われたくないし…


そもそも、映画見てご飯食べて帰るだけって思ってたから、こんな展開になるなんて、想像もしなければ、考えもしなかった。


ってゆうか、下着を着けてないってことは、翔くんは期待してる…ってことなんだよ…ね?

はあ…、参ったな…


蓋を閉めたままの便座からのろのと立ち上がり、着ていた服を一枚一枚脱いでからバスタブに入る。

思ってた通り、シャワーは僕対応の温度になっている。

普段ならボデイーソープだけで全身…頭から足まで洗っちゃう僕だけど、何故かちゃんと利用目的通りにシャンプーもコンディショナーも使って…

何でこんな丁寧に洗ってんだろって、自分でも不思議に思うくらい、僕は全身を隈なく洗った。


期待なんかしてない…つもり。
寧ろ、そういう流れになるのが怖くて堪らないのに…

でも、どっかで期待しちゃってるんだろうか…
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