十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第11章 11
「やっぱり…」
ダメだよ…って言いかけたその時、外でクラクションが鳴り…
「お、来たな」
潤さんが外へと出て行くから、僕も急いで後を追った。
そこにあったのは…
「え、凄い! え、え、うわぁ…」
僕の描いた絵がペイントされたキッチンカーで…
「気に入ったか?」
気に入るも何も…
「想像以上だよ!」
だってデザイン画を渡した時は、こんな感じになれば良いなぁ…って程度で、まさかこんな立派になると思ってなかったんだもん。
でも一つ問題が…
「ねぇ、僕免許持ってないんだけど…」
こっちに来る前に取ろうとも思ったけど、タイミングが合わなくて、結局僕は自動車免許の取得は諦めた。
だからせっかくのキッチンカーだけど、僕には宝の持ち腐れな気が…
だって僕的には、その辺の道端で露店でも開ければって思ってたんだもん。
「あのなあ、俺が何も考えずにこんなモン用意すると思うか?」
「それはそうだけど…、でも…」
僕が言いかけたその時、運転席が空いて…
「ハーイ、ジュン」
ちょっとだけイカつい感じの、長身の男の人が降りて来て、潤さんに握手を求める仕草をした。
ってゆうか…、誰…