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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第11章 11


それから僕達はルームサービスで食事を済ませ、潤さんが僕に会わせたい人がいるって言うから、着替えを済ませて外へ出た。

って言っても、ホテルからそう離れていない場所で、潤さんはそこに並ぶいくつかの倉庫の中の一つのシャッターを開けると、勝手知ったるなんちゃらみたいな感じでズカズカと中に入って行き…

「どうした、早く入れ」

平然とした顔で僕に手招きをした。

「え、でもここ他人の家じゃ…」

いや、どこからどう見ても家には見えないけど、どっちにしたって勝手に入って良いものなの?

「ほら、早くしろ」
「あ、は、はい…」

僕は恐る恐る建物の中に足を踏み入れると、中をグルっと見回した。

「ねぇ、これって…」

そこには、ムギタにあったのよりは随分小さいけど、パンを焼くためのオーブンやら、パン生地をこねる為の機械やらが置いてあって…

畳にしたら四畳半程度の広さなんだけど、ちゃんと作業台や、冷蔵庫なんかも置いてある。

「好きに使え」
「嘘…、どうして?」
「言っただろ、俺はお前に投資する、って」

確かに随分前に言われた記憶はあるけど、でもてっきり冗談だと…

それに、僕は潤さんにそこまでして貰う義理ってゆうか…

そもそも、僕は潤さんを傷付けることしかしなかったのに…


なのにどうして…?
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