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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第11章 11


「ねぇ、ちょっとだけ海入っても良い?」

波打ち際まで走る途中で靴を脱ぎ、靴下を脱いで、ズボンの裾まで捲り上げ、しっかり海に入る気満々で、僕は潤さんを振り返った。

「良いけど、転ぶなよ? パンツの替えないんだからな」

風の音に掻き消されないよう、潤さんが普段はあまり聞くことの無い大声で言う。


ってゆうか、パンツの替えくらい持ってるし。

二枚だけだけど…


「わ、冷たぁ…」

砂浜が熱かったせいか、寄せては返す波が凄く冷たく感じる。

「ねぇ、潤さんも入んなよ。気持ち良いよ」
「俺は良いよ」
「えー、つまんない…」

僕は潤さんの手を引いた。

でも僕の力が強過ぎたのか、潤さんがバランスを崩して…

「え、嘘…」

咄嗟に抱きとめようとしたけど、もう遅くて…

「マジかよ…」

潤さんは運悪く…なのか、波打ち際で尻もちを着いてしまった。

「ご、ごめん…なさ…ぃ…、ぷぷ…」

謝ろうとしたんだよ?
だって僕のせいだからね。

でもさ、普段格好良い姿ばっか見てたからか、尻もちを着いてる潤さんがなんだか面白くて…

笑っちゃいけないと思いつつも、僕は笑いが堪えられなかった。

「ったく…、お前と関わるとろくな事ないな?」
「酷い…」
「だってそうだろ?」
「うわっ…!」

むくれる僕の手は潤さんに引かれ…
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