十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第11章 11
空の上で何時間かを過ごし(殆ど寝てたけど…)、目的の空港に降り立った僕は、やっぱり潤さんのメールに書かれていた通りに手続きを済ませ、何とか到着ゲートを出た僕は、人混みの中に潤さんの姿を探した。
でもさ、色んな国や人種の人達で溢れる中で、どうしても潤さんが見つけられなくて…
参ったな…
誰かに聞こうにも、こんなとこに知り合いなんていないし…
僕はボストンバッグを肩にかけ、ゲート脇の壁にもたれかかった。
手には、あんまり役に立たないスマホを握り締めて。
そうして待つこと10分…
「智?」
急に声をかけられ、ドキッとしながら顔を上げると…
「ごめん、待たせたな」
そこには見知った顔があって…
「潤さん…」
僕は思わず荷物もスマホも放り出し、半べそ状態で潤さんに飛び付いた。
「迎えに来てくれないかと思った…」
「ごめん、道がちょっと混んでてな…」
僕の背中をポンポン叩きながら、申し訳なさそうに苦笑する潤さんの腕の中は、何年も何ヶ月も会ってなかったわけじゃないのに、凄く久しぶりな感じがして、そしてやっぱり落ち着く。
「それにしてもよく一人で来れたな?」
「まあそうやって僕を子供扱いする…。僕、もうしっかり大人だよ?」
それに僕には…
「これもあったし」
潤さんからのメールの画面を、僕は潤さんに向けた。