十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第11章 11
電車を何本か乗り継ぎ、空港に着いた僕は、潤さんから送られてきていたメールを開いた。
搭乗手続きやらなんやら、僕が迷子にならないよう、潤さんが事前に送ってくれていたものだ。
僕はメールに書かれていた通りに手続きを済ませ、僕が乗る便の搭乗ゲート付近で漸く腰を下ろした。
その時、ふと発着便が表示される電光掲示板を見上げた僕は、あることに気付く。
あれ…、この場所って確か…
そうだ、翔くんと初めて二人で旅行に行った時も、確か同じ搭乗ゲートだったような…
あの時は翔くんと一緒だったから、全然寂しいとかも思わなくて、とにかくワクワクばっかしてたけど、今は…ちょっとだけ寂しいかも。
…って、感傷に浸ってる場合じゃない。
これから僕は新しい土地に行って、右も左も分からない中で、新たな一歩を踏み出さなきゃいけないんだから。
そのために今まで、どんなに大変でも頑張って来たんだもん。
僕は頭をブルンと振ると、気を抜いたら弱気になりそうな自分に気合いを入れるため、両頬をピシャリと叩いた。
と、同時に搭乗を開始するアナウンスがロビーに流れた。
僕はチケットを手に搭乗ゲートを潜り、デッキを通って機内へと入った。
チケットに書かれた番号の座席に座ると、安心感からか、急に睡魔が襲って来た。