十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第2章 2
僕達と同じことを考える人は少なからずいるわけで…
一番近いホテルは、ほぼ満室に近い状態になっていて、それでも僕達は何とかダブルの部屋を押さえることが出来た。
フロントでチェックインだけ済ませ、徒歩圏内にあるコンビニへと向かった僕達は、下着類とアルコール、それから簡単なツマミなんかを買い込み、ホテルに戻った。
部屋は、ビジネスホテルらしくこじんまりとした内装はになっていて、ベッドのサイズの割にはちょっぴり手狭に感じてしまう。
けど、寝るだけの目的だったら、狭かろうが、窓の外が隣のビルの壁だろうが関係ない。
大体僕的には、例えば車の中だろうと、公園のベンチだろうと、全然どこでも寝れちゃうんだから、ちゃんとしたベッドがあるだけ幸せだ。
「俺先にシャワーしてくるわ」
「うん」
翔くんか新しい下着を手に、トイレ兼バスルームに入って行く。
翔くんがシャワーを先に浴びるのはいつものこと。
それで、出る時には、熱いのが苦手な僕のために、僕対応の温度に調節してくれるんだ。
頑固だし、〝超〟が付く程真面目だから、もしかしたらそうは見えないのかもしれないし、口にも、それから表情にもあんまり出さないけど、それが翔くんなりの優しさだってこと、僕は知ってる。
そう、僕だけが本当の翔くんを…