• テキストサイズ

十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第11章 11


冗談だと思いたかった。

でも実際に背中から抱きしめられて、耳たぶをカリッと噛まれた瞬間、これは冗談でもなんでもなく、本気なんだって分かった。


でも…、でもさ…


「約束…したじゃん…」

あの時、僕達が身体を重ねるのは、最初で最後だって、二人で決めたんじゃん?

なのに、「忘れた」ってなに?

意味わかんないよ…

「ずっとしてないんでしょ?」

そりゃそうだけど…
否定もしないけど…

なんなら、ちょっと触られただけで、もう既に身体が反応しかけてるけどさ…

でも…

「やっぱりダメだよ」
「なんで? シタくないの?」
「シタいよ…。でもダメだよ」

僕の欲求不満はとうに限界突破しつつあるし、叶うなら今すぐにでもシタいよ。

それに、以前の僕なら、きっとこの場の状況に流されてたかもしれないけど、僕はもう以前の僕じゃない。

「おやすみ。もう寝るよ」

僕はニノの手を振り解き、身体を丸めて瞼を閉じた。

すると、ニノが僕の頭をそっと撫でてくれて…

「ばーか、冗談だよ」


はあ?
何それ…


「良かったよ、智が少しだけ大人になっててくれて」


当たり前じゃん。

僕、いくつになったと思ってんの?

普通に大人なんだけど?
/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp