十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第11章 11
ってゆうかさあ…
「散らかすだけなら帰ってくんない? 僕忙しいんだけど…」
出発を明後日に控えている僕は、荷造りやら部屋の整理やらで、滅茶苦茶忙しいってのに、申し訳ないけど、ニノの相手まではとてもしてられない。
「手伝ってくれるなら別だけど…」
「やーだね。俺置いてくのに、誰が手伝ってなんかやるか」
きっとニノは寂しいんだと思う。
なんたって僕達は、それこそ赤ちゃんの頃からの知り合いだし、一応セックスだってした仲だし…
でもそれはニノだけじゃなくて、僕も同じ。
僕だって皆と離れるのは寂しいし、不安しかないけど、でも自分で決めたことだから、寂しいなんて言ってられない。
本当は言いたいけどね、寂しい…って。
僕は必要な物だけを詰め込んだボストンバッグを机の上に置くと、長年愛用しているウエストポーチにパスポートを突っ込んだ。
以前作ったパスポートはしっかり期限切れになっていたから、新しく作り直した物だ。
「てかさ、荷物そんだけ?」
「そうだけど?」
「いや、どれだけの期間行くつもりか知らないけど、いくらなんでも少なくない?」
「そう…かな?」
僕的にはこれでも充分多いと思うんだけど…