十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第11章 11
「ねぇ、本当に行くの?」
ベッドの上に寝転びながら、漫画をペラペラ捲るニノが言う。
ってゆうか、漫画なら自分家で読めば良いのに…
どうしていっつも僕の部屋に来るんだか…
「うん、行くよ」
「でも智、英語なんて喋れないじゃん」
確かに…
ニノの言う通り、僕は英語なんて全くもって喋れないし、なんなら日本語ですら怪しい時がある。
だから、日本語が殆ど通じない国に行くってことは、僕的に例えるなら天国から地獄に真っ逆さまに落っこちるくらいの感覚で…
正直、ちょっとだけ怖かったりもする。
でも…
「決めたから」
「そっか…、じゃあもう決心は揺るがないわけか…」
「うん」
そう、ムギタを辞めるって決めるずっと前…ううん、そのもっと前から考えてたことだから、誰に何を言われても、僕の気持ちは揺るぎもしないし、変わることは決してない。
「俺も着いて行こうかな…」
「はあ? お前何言ってんの?」
「だってさ、智いなくなったらつまんないじゃん?」
「ニノには雅紀さんがいるでしょ?」
あんな優しくて、(僕の好みではないけど)格好良い彼氏がいるくせに、よく言うよ…
僕なんてずっと独り身なのにさ…