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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第10章 10


「だったら、やっぱ必要ないよな?」

せっかく集めたけど、そうだよね…

「なんか、無駄なことに時間使っちゃったみたい…」

休みの日だって、あちこち学校見に行ったりしてさ…

「そんなことないよ。智なりに考えてのことだろ?」
「うん…」

僕の泣け無しの知恵振り絞った結果が、この資料の山だから。

「じゃあ無駄じゃないんじゃないか?」
「そう…なの?」
「結果的に必要無くなった、ってだけのことだし…」

そうだよね。
確かに、潤さんの話を聞くまでは、僕は学校に通う気満々だったわけだし、もしかしたら、潤さんの話を聞いた後だって、気持ちは変わらなかったかもしれないんだから。

そう考えたら、無駄なことなんて一つもない。

「後はそうだな…、どこを修行の場にするか、なんだけど…」
「それなら、僕ずっと好きなパン屋さんがあって、出来ればそこで…って思うんだけど…」

商店街の一角にあって、僕が子供の頃からある店だから、結構古い店ではあるんだけど、僕はそこのパンは勿論大好きなんだけど、匂いが何より最高なんだ。

店長さんは…ちょっと変わった人なんだけどね。

「ふーん、そこなら確か…、俺の知り合いのっていうか、俺が貸してるテナントの一つかも…」
「え、そう…なの?」

やっぱり潤さんて凄いよ。

雅紀さん情報で、色々手広くやってるとは聞いてたけど、まさか…だもん。
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