十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第10章 10
潤さんは机の上の資料を数冊手に取ると、パラパラッと巡って、それから…
ごみ箱にポン…どころか、バサッと投げ入れた。
「え、ちょ、ちょっと…」
これだけ集めるのに、僕がどれだけの時間を費やしたと思ってんの?
なのに、こんな簡単に捨てちゃうなんて…
「酷いよ…」
「あのなぁ…」
くちを尖らせる僕に、潤さんが呆れた様子で息を吐き出す。
「まあいい、とりあえず座れ」
潤さんは僕を宥めるように言って、僕が座った横に誤字を下ろした。
「単刀直入に聞くけど…」
「…うん」
「お前、経験は?」
「え、えっと…、あの、それって必要…ってゆうか、言わなきゃダメ?」
まさかこのタイミングで〝経験〟とか聞かれるとは思ってなかったけど、やっぱり相談に乗って貰う以上、ちゃんと答えた方が良いのかな?
僕は少し照れながら、潤さんの目の前に指を三本立てて見せた。
「三年…か…」
「違うよ」
「じゃあ…三ヶ月?」
「ううん…」
「三回…ってこはないよな?」
もう…、何言ってんの?
あ、もしかして分かってて知らないフリしてる…とか?
「違うよ、三人だよ」
半分呆れながらも、僕は自信たっぷりなや答えた。
瞬間、潤さんの肩がガクーンと…、そりゃ見事に下がった。