十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第10章 10
僕は雅紀さんの店で働きながら、空いた時間の全てを、夢を叶えるための資料集めに使った。
勿論資料の中には、郵送で取り寄せられる物もあれば、直接行ってじゃないと貰えない物もあったりで、そういった場合は雅紀さんに無理を言ったりもして…
でも雅紀さんは急な休みにも怒ることはせず、快く休みをくれたりもした。
もっとも、僕のピンチヒッターとしてニノが手伝いに来てくれるから、雅紀さんにした願ったり叶ったりなんだけどね。
そうして、気付けば僕の机の上には、資料ばかりが山積みになり…
「これどうすんの…」
僕は山積みの資料を前に、一人首を捻った。
そんな時、思いがけない人から、僕の元に電話がかかってきた。
「雅紀から聞いたんだけど…」って。
電話の相手、それはそう遠くもない過去に、僕のことをとても大切にしてくれて、僕も一生懸命愛そうと思ったけど、出来なかった人…
潤さんだ。
潤さんは、僕が夢を叶えるために動き出したこと、そしてそのために集めた資料を前に、思い悩んでいることを雅紀さんから聞き、何か出来ることはないかと連絡をくれたらしい。
正直迷った。
潤さんなら、僕の悩みにきっと的確な答えをくれる。
でも潤さんに相談するのは、ちょっと違うんじゃないのかなって、思って…