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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第10章 10


雅紀さんは最後まで、一切茶化したりすることも無く僕の話に、じっと耳を傾けてくれた。

そして僕が話終わると、相変わらずの爽やかな笑顔で、「分かった」って言ってくれて…

それから「頑張れ」とも言ってくれた。

僕はそのたった一言に、凄く大きなパワーを貰ったし、どうしてだか分からないけど、救われた気がした。

こんな僕でも、夢を見ても良いんだって、思うことが出来た。

だからかな、胸の奥かじんわりと暖かくなって、ついでに目頭まで熱くなってきて…

でも泣くまでには至らなかった。

なのに雅紀さんたら、よっぽど僕が泣き虫だと思ってるんだよね?

まあ、実際そうなんだけどさ…

「何泣いてんの」って笑うんだもん。

酷くない?

勿論、「泣いてないもん」って言い返したけどね。

「で、いつまでにすんの?」
「何が?」
「だーかーら、いつまで来れるのか、って聞いてんの」
「ああ、そうゆうこと?」

あんまり人の事言えないけど、雅紀さんはいつだって一言足りなくなりがちなんだよな。

「まだハッキリとは〝いつ〟って決めてないんだけどさ、なるべく早い方が良いかなって…」

実際、夢を叶えるために動くって決めてものの、まだまだ考えなきゃいけないことや、やらなきゃいけないことが山積みなんだもん。

簡単には決められないよ。
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