十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第9章 9
僕は咄嗟にニノから視線を逸らすと、一纏めにした服で身体を隠した。
「それ、貸して?」
ニノが僕に向かって右手を差し出す。
「服、洗濯するから貸して?」
「え、でもこれ洗っちゃったら、僕着る物が…」
仕事帰りなら、最悪仕事用の服も持ってるけど、そうじゃないし…
「別に泊まってけば良いじゃん」
そう言って貰えるのは嬉しいし、これまでだって何度も泊まったことあるから、泊まること自体は全然平気なんだけど、でもこんなことの後は…ちょっぴり気まずい。
でも背に腹はかえられない…よね?
「じゃあ…、お願い…します」
僕は汚れた服と下着をニノに差し出すと、近くにあったブランケットを肩にかけた。
ってゆうか、泊まるって言っても、どこに寝るんだろ?
布団だってベタベタだし…
「あ、智、悪いんだけど、シーツも剥がしといてよ」
「う、うん…」
僕は言われた通りにシーツを剥がし、洗濯機まで運び、代わりに僕の手にはニノのくたびれたスウェット上下と新しい下着が渡された。
「とりあえずそれ着ときな」
「あり…がと…」
ってゆうか、これって前に僕が〝お泊まり用〟って、置いてったスウェットだよね?
数える程しか着てない筈なのに、なんでこんなにくたぴれてんの?