十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第9章 9
なんてことがあるわけもなく、
「男同士ってさ、以外と面倒臭いんだね?」
僕のお尻から、自分の残したモノを掻き出しながら、ニノがポツリ言う。
「女の子も同じじゃないの?」
僕は女の子との経験は無いから、良く分かんないけど、違うものなんだろうか?
「さあね…、よく分かんない…かな」
「そ…か…」
その時僕は確信した。
ニノは初めてだったんだ…ってことを。
その初めての相手が、僕だってってことも…
でも僕はそのことを口にはしなかった。
もし口にしたとしても、ニノの性格上傷付くってことは無いだろうけど、ただ何となく…
本当に何となくなんだけど、聞いちゃいけない気がした。
「これで大丈夫…かな」
ニノが僕のお尻から指を引き抜き、先に湯船に浸かる。
でも僕はと言うと、足を上げるのも辛くて…
「…たく、仕方ないなぁ…」
ニノに手を引かれて、漸く湯船の中に足を突っ込んだ。
「これじゃどっちが世話されてんだか分かんねぇや」
手を繋いだまま、二人向き合って湯船に浸かる…けど、大の大人二人が浸かるには、バスタブが小さ過ぎて…
「こっち来いよ」
「うん…」
僕は言われるまま、ニノの膝に座った。