十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第9章 9
「ヤベッ…」
ニノがピタリと動きを止め、眉間に深い皺を刻む。
その顔は苦悶…とゆあいよりかは、恍惚に満ちていて…
瞬間、僕の中にニノの、長年の僕に対する気持ちってゆうか…注ぎ込まれた。
そして僕も…
僕の中に中心を残したまま、ニノがぐったりと僕の上に倒れかかって来る。
「スッキリ…した?」
僕の肩に顔を埋め、荒い息を繰り返すニノに問いかけると、ニノは言葉で答える代わりに、コクリと頷いた。
良かった…って思って良いのかどうかは、正直分かんないけど、ニノの心の中にあったモヤモヤが少しでも晴れたのなら、それはそれで…ってことなのこな。
僕はホッとすると同時に、急に襲って来た睡魔に意識を委ねようとした…けど、それはニノが僕の中から抜け出たことで妨げられた。
「風呂、沸かして来る」
ニノが僕から離れることで、それまで僕を包んでいた体温が無くなり、僕の身体がブルッと震える。
早く戻って来てね。
じゃないと僕、凍えてしまいそうだか…ら…
言いたいのに、身体を動かすのも無理なら、声を出すのすら億劫で…
僕は自分の吐き出したモノで汚れた身体を投げ出し、ついでに意識も手放した。