• テキストサイズ

十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第9章 9


紅潮したほっぺたに、潤んで蕩けたような目、それからだらしなく唾液を垂らす口元…

自分でも気付かないうちに、中心へと伸びていた手…

そのどれもが、まるで自分とは思えなくて、僕は姿見から咄嗟に視線を逸らした。

「何恥ずかしがっちゃってんの?」

違う…、恥ずかしいわけじゃない。
ただ僕は、こんな自分を知りたくなかっただけで…

僕が首を横に振ると、ニノはちょっぴり怒ったような顔をして、僕の口から中心を引き抜いた。

そして僕を布団に押し倒すと、今度はニノが僕の中心を口にした。

「え、ちょ…ちょっと…待って、ダメっ…、ああっ…」

ニノの口は凄く熱くて、既に出来上がってしまっている僕の中心は、呆気ない程簡単に白旗を上げた。

「嘘…でしょ?」

嘘じゃないもん…

「あ、ひょっとして演技?」

演技でこんなこと出来る程、ヤリまくってるわけじゃないし…

「滅茶苦茶溜まってんじゃん」

うん、それは認める…よ。

「っていうかさ、初めて飲んだけど…」
「え…?」

嘘…でしょ?

「あんま美味いモンでもないね」
「バ、バカ…、何で飲むんだよ…。吐き出してよ、ほら…」

僕は枕元にあったティッシュの箱を、ニノに向かった差し出した。

なのにニノは…

「無理だよ、もう飲み込んじゃったし…」

平然とした顔で言って、口元を手の甲で拭った。
/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp