十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第9章 9
紅潮したほっぺたに、潤んで蕩けたような目、それからだらしなく唾液を垂らす口元…
自分でも気付かないうちに、中心へと伸びていた手…
そのどれもが、まるで自分とは思えなくて、僕は姿見から咄嗟に視線を逸らした。
「何恥ずかしがっちゃってんの?」
違う…、恥ずかしいわけじゃない。
ただ僕は、こんな自分を知りたくなかっただけで…
僕が首を横に振ると、ニノはちょっぴり怒ったような顔をして、僕の口から中心を引き抜いた。
そして僕を布団に押し倒すと、今度はニノが僕の中心を口にした。
「え、ちょ…ちょっと…待って、ダメっ…、ああっ…」
ニノの口は凄く熱くて、既に出来上がってしまっている僕の中心は、呆気ない程簡単に白旗を上げた。
「嘘…でしょ?」
嘘じゃないもん…
「あ、ひょっとして演技?」
演技でこんなこと出来る程、ヤリまくってるわけじゃないし…
「滅茶苦茶溜まってんじゃん」
うん、それは認める…よ。
「っていうかさ、初めて飲んだけど…」
「え…?」
嘘…でしょ?
「あんま美味いモンでもないね」
「バ、バカ…、何で飲むんだよ…。吐き出してよ、ほら…」
僕は枕元にあったティッシュの箱を、ニノに向かった差し出した。
なのにニノは…
「無理だよ、もう飲み込んじゃったし…」
平然とした顔で言って、口元を手の甲で拭った。