十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第9章 9
僕はニノの視線を感じながら、Tシャツを脱ぎ、それからジーパンも脱いだ。
中学の頃までは、一緒に風呂に入ったことあるし、プールにだって一緒に行ったし、だから平気だと思った。
でも全然平気じゃなかった。
同じ男だし、隠す物なんて無いと思ってたのに、自然と手が身体を隠そうとする。
「どうしたの? もう終わり?」
「えっと…、あの…」
「それとも手伝って欲しいとか?」
「え、あ…」
ニノの手が僕の下着にかかり、答える間もなく下着が膝まで下ろされた。
僕は咄嗟に隠そうとしたけど、ニノがゆっくり首を横に振って、それを制した。
「で、電気…、消してよ…」
今更かもしんないけど、せめて…と思ったのに…
「やだよ。だって電気消しちゃったら、智の身体見れないじゃん」
「見、見れないって、そんな…」
「ダメだよ。だって最初で最後なんだよ? しっかり目に焼き付けときたいじゃん?」
その感覚は…正直、良く分かんないけど、ニノがそう言うなら…
でも、ボクばっか…ってのは、やっぱり狡いと思う。
「じゃ、じゃあ、ニノも脱いでよ…」
そしたら、僕のこの恥ずかしい気持ちも、きっと半減されるだろうから…
「ね、お願い?」
僕は、ニノの前では滅多に出したことの無い、甘えた声で言った。