十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第9章 9
「行こっ…か…」
僕の手を握ったまま、先に歩き出したニノの背中が、いつもより大きく見えるのは、僕の気のせいなの?
それに、何だか凄く男らしくて、大人にも見える。
僕より年下のくせに、生意気だな。
あ、でも腰を摩りながら歩く姿は、僕よりもおじいちゃんに見えるかも。
「腰は? 大丈夫なの?」
まだ完全ではないって言ってたし、さっきだって、ただ座ってカラオケしてるだけなのに、辛そうにしてたし…
「また酷くなったりしたら…」
「俺の腰心配するより、自分の心配したら?」
「え? それって、どうゆう…」
「どうもこうも、言葉の通りだけど?」
言ってる意味分かんないよ…
だいたい、僕は本気でニノの腰の心配してるのに…
ぼんやりした頭で、階段を昇るニノの後を、手を引かれて着いて行く。
一段、また一段と、階段を一段上がる度に、僕の心臓の動きが激しくなってくる。
こんな感覚になるの、久しぶりかも。
別にセックス自体初めてでもないのに…
あ、そっか…、ニノとは初めて…か。
ニノが鍵を開け、ドアが開いてニノが先に部屋に入った…瞬間、僕はあっという間に部屋の中に引き込まれ、背中を壁に押し付けられて、それから…