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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第8章 8


雅紀さんが行きたがっていたちゅうかりに着くと、最近オープンしたばかりということもあってか、けっこうな数の待ち客が並んでいて…

一応列に並んではみたものの、一向に進む気配もなく…

「どうする? 他行く?」

雅紀さんは言うけど、僕は首を横に振った。

「良いよ、待とうよ」

この後特に用事もないし、どうせ家に帰ったところで、母ちゃんはパートに出かけてていないし…

一人でいることには慣れてる僕だけど、ここ最近色んな事があり過ぎて、たまに一人の時間が怖くなる時があるんだ。

「でもけっこう時間家かかりそうだよ?」
「うん、でも大丈夫。待てるから」

…とは言ったものの、ずっと立ちっぱなしでいるのも案外疲れるもので…

漸く僕達の順番が回って来た頃には、膝も腰も悲鳴を上げかけていた。

料理のチョイスを全部雅紀さんに任せ、僕はスマホを取り出した。

「あ、ニノからだ…」

スマホを画面に視線を落としたまま言うと、オーダーを終えた雅紀さんがメニューを片付けながら、僕のスマホを覗き込んだ。

「へぇ、ニノは本当に智の事が好きなんだね?」
「そ、それはさ、幼なじみなんだから当然じゃない?」
「でも、幼なじみ相手に〝愛してる〟なんて言わないでしょ、普通」

まぁ、そうなんだけど…


ってゆうか、勝手に人のスマホ見ないでよね?
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