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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第8章 8


ニノから離れ、僕達はお互い顔を見合わせて笑った。

その時、ドアがノックされて、大量の漫画やらお菓子やらを詰め込んだレジ袋を下げた雅紀さんが、そーっと顔を覗かせた。

「話、済んだ?」って。

僕達は同時に頷いて見せると、雅紀さんは安心したような顔で「そっか」と言って、テーブルの上にレジ袋をドンと置いた。


…っゆうか…


「ねぇ、俺、明後日には退院なんだけど…」
「えっ…、マジで?」
「うん、マジで。だからそんな大量に漫画持って来て貰っても、ちょっと困るって言うか…」

だよ…ね?

雅紀さんらしいって言ったらそうなんだけど、なんか…笑える。

「もう、分かったよ、退院する時は迎えに来るから。どうせその手じゃゲームも出来ないでしょ?」
「それはそうだけど、こんなに読めないよ…」

ニノは心底迷惑そうな顔をするけど、雅紀さんには全く通じてなくて…

「いいからいいから」って強引に押し切った。

「あ、ねぇ、ニノの退院の日、僕も一緒に来て良い?」
「良いけど、何で?」

何で…って、理由は特にないけど、駄目なの?

「まあ良いんじゃないですか? 思いがけず荷物も増えちゃったことだし、人手は必要じゃない?」

そうだよ、こんな大量の漫画、いくら軽いとはいえ怪我人なんだもん、運ばせらんないよね。
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