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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第8章 8


立ち話もなんだからと、潤さんの車に乗り込んだ僕は、ほんの少しだけど、居心地の悪さを感じていた。

だってあんな終わり方したんだもん、居心地が良いわけない。

多分それは潤さんも同じで…

ずっと黙りこくってるかと思ったら、たまに溜息を落として、それからまた黙りこくって…

「あの…、話…って?」

沈黙に耐えられなくなった僕は、視線を窓の外に向けたまま切り出した。

「あ、ああ、そう…だったな…」

潤さんにしては、いつになく歯切れが悪い。

「なんて言うか…、この間は済まなかった」
「いえ、僕の方こそ…」

そもそも、セックスの最中に他の人のことを考えてた僕が悪い。

なのにどうして潤さんが謝る必要があるの?
潤さんが頭を下げる理由なんて、どこにも無い。

「身体は手に入ったとしても、心だけは手に入らないって、最初から分かってたことなのに、お前のことを好きになればなる程、どんどん欲張りになってく自分が嫌で…」

静かに語る声の端々に、潤さんの苦悩が感じられて…

潤さんも僕と同じように苦しんでいたんだってことが分かる。


けどさ、どうして自分を責めるの?
責められるのは僕であって、潤さんが自分を責めるのは違うよ。

なのにどうして…
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