十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第7章 7
家に帰り、母ちゃんに事情を説明し、謝ると、凄く残念そうな顔をされた。
けど、すぐにいつも通りに笑って、僕に「馬鹿だね」って一言だけ言って、僕のおでこに一つデコピンをした。
母ちゃんは、特に何も言わなかったけど、多分最初から分かってたんだと思う。
僕が翔くんのこと忘れられてないってことを。
それを分かった上で、母ちゃんは僕が決めたことなら、と背中を押してくれた。
なのに、こんなことになっちゃってさ…
もし父ちゃんが生きてたら、きっと怒っただろうな。
「フラフラすんな」って。
僕は軽く夕食を済ませ、シャワーを浴びると、濡れた髪のまま二階へと上がった。
部屋のドアを開けると、何故か開けっ放しになっていた窓から冷たい風が吹き込んで来て、僕はブルッと身体を震わせた。
布団のカバーが変わってるし、床に散らばっていた服も整頓されてるから、きっと窓を開けたのは母ちゃんだ。
「ちゃんと閉めてっていつも言ってんのに…」
僕は一人ごちると、開けっ放しになっていた窓を閉め、カーテンを引いた。
綺麗に整えられたベッドの上に座り、スマホを開いてみる。
特に誰からも連絡はなかったけど、唯一斗子さんからはLINEが数件届いていて…