十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】
第7章 7
電話を切り、再びベンチに腰を下ろした僕は、罪悪感に押し潰されそうで…
何度も溜息を落とし、その度に瞬き始めた星空を見上げ、零れ落ちそうになる涙を堪えた。
僕はどうすれば良かったんだろう。
あの時、母ちゃんを一人にしてでも、翔くんを追いかければ良かったの?
そうすれば、潤さんのことも、それからニノも…傷付けずに済んだのかな…
もう分かんないや…
どれだけ後悔しても、どれだけ自問自答してみても、結局は答えは出てこない。
もし僕が翔くんやニノみたいな性格だったら、もしかしたら答えは簡単に出せるのかもしれないけど、残念だけど僕には無理みたいだ。
僕は今日一大きくて深い溜息を落とすと、のろのろとした動きでベンチから腰を上げ、家に向かって歩き出した。
でも、そこの角を曲がれば…ってところで僕はふと足を止めた。
そう言えば…
来週末、家に潤さん連れて来るって、母ちゃんと約束してたんだっけ…
母ちゃん、美容院まで行って、新しい服まで買っちゃってさ、凄く楽しみにしてたのに…
どうしよう、なんて説明すれば良いの?
ただでさえ重い足取りが、更に重くなるのを感じるけど、こうなったらもう仕方ないよね。
母ちゃんには悪いけど…