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十年・愛 〜あの場所で、もう一度君と…〜【気象系BL】

第7章 7


家までのそう遠くもない道程が、やたらと、長く感じて…

でもまっすぐ家に帰る気にもならなくて、途中にある公園に立ち寄った。

昼間の賑やかな感じとは違って、夜の公園は薄気味悪くて、もしまた変態野郎に襲われたら…って考えたら、ちょっぴり怖くも感じてしまう。


やっぱり帰ろう…


ベンチから腰を上げ、両手を上着のポケットに突っ込んだその時、僕のスマホがブルッと震えた。


電話なんて、誰だろう…


僕は首を傾げるながらスマホを取り出すと、画面に表示されている名前に視線を落とした。

「え、なんで?」

画面に表示されていたのは、潤さんのドラァグクイーン仲間でもある斗子さんの名前で…


そういえばあの時…


初めて斗子さんを紹介された時、LINEの交換をしたのを思い出した。

僕は着信をタップすると、スマホを耳に当てた。

「あ、もしもし智子ちゃん? あたし、斗子」
「あ、は、はい…」

電話の向こうでは、多分…だけど、ドラァグクイーン同士のパーティが開かれているらしく、賑やかな雰囲気が電話越しにも伝わってくる。

「あのね、いきなりで悪いんだけど、潤子ちゃんを迎えに来て欲しいのよ」
「え…?」
「潤子ちゃん、酔い潰れちゃって、ずーっと智子ちゃんのこと呼んでんのよ。だからさ、お願い出来ないかしら?」


どうしよう…
僕はどうしたら良いの?
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