第7章 7

「僕、どうしたら良いんだろう…」

こんなこと、ニノに聞くのは間違ってるって分かってる。

でも、自分ではどうすることも出来ないし、もし出来たとしても、その方法すら頭に浮かんで来ないんだ。


だからニノに助けて欲しかった。



「ねぇ、ニノならどうする？」

僕が聞くと、ニノは少しだけ苛立った様子でタバコを灰皿に揉み消した。

そしてペットボトルの水を一気に飲み干すと、空になったペットボトルをクシャリと握り潰した。


怒ってるん…


直感的にそう思った。

ニノとは幼馴染ということもあって付き合いも長いし、顔を見ただけで、お互い何を考えているのか分かる。

だから案の定とゆうか、やっぱりとゆうか…

「あのさぁ、今更なんじゃないの？」って言われた瞬間、僕の手からペットボトルが滑り落ちた。

「だいたい最初っから分かってたことじゃないの？」

ニノの鼻息が徐々に荒くなって行くのを、僕は暖房もかかっていない、寒々とした部屋の真ん中で感じていた。

「潤さんと付き合ったところで、智の心から櫻井先輩が消えることはないって、智だって分かってたんじゃないの？」
「それは…」

違う…と、例えそれが口をついて出た嘘だったとしても、否定出来ない自分が悔しい。