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【呪術廻戦】伏黒・狗巻 何となく続く短編集

第3章 伏黒Eats


伏黒Eats(霧)

黄土色の紙袋の中から出てきた『それ』に、霧の目は輝く。「わぁ」と溢れた歓声と共に、両手を差し出して、恵から『それ』を受け取った。

「ありがとう」

ひんやりとした喉越しと、口の中に広がる甘酸っぱさに、頬が緩む。身体中が甘味に喜んでいると分かるほど、美味しさが指先まで染み渡る。

「美味しい…」

緩み切った四肢を放り出して、テーブルに突っ伏した。「甘いものってどうしてこんなに美味しいんだろう」と、心の声がダダ漏れになる。いつも以上に大サービスのチョコレートソースが乗ったフラペチーノを持っている凪が、「甘いから美味しいんだよ」と哲学を始めた。

「ねぇ凪ちゃん、それ、いつもよりチョコレート多くない?」

「私も、思ってた」

何の気なしに「たくさん乗ってて嬉しいね」と言う。あらぬ方向に目を逸らした恵については、深く追求しない方が良さそうだと、見てないフリをすることに決めた。

山盛りチョコレートソースを見ていると、お腹が空いてきたような気もする。

「パンケーキに、いちごとアイスとホイップ乗せて、チョコソースかけて食べたいなぁ」

「私ブルーベリーがいい!」

甘い物の話なのに、苦そうな顔をする恵をそっちのけにして、霧は凪とふたり、延々と甘そうな話をしていた。
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