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俺、ピグリン王になったみたいです

第4章 出発の準備


「うーん、RPGならよくあることだけど……」
「あーるぴーじー……とはなんですか?」
「あー、いやいや、こっちの話」
 と俺は話を断ち切り一人また考え込む。もしそれが本当のことなら、なんの装備もなしにブルートドラゴンの元へ行くのは危険なのではないか、と考えたからだ。
「装備とかはどうしてるの?」
 俺はまた訊ねた。それならばと護衛ピグリンは俺をどこかの部屋へと案内してくれた。
 そこにはズラリと並んだ金装備の数々で、兜から靴まで全て揃っている。隣の部屋は武器庫になっていて、金の剣や金の斧まで鎮座していた。
「金装備か……」
 俺は護衛ピグリンに聞こえないように呟いた。金装備は確かにネザーでは便利ではあるが、ここはどうもあのゲーム内とそっくりそのまま同じ仕様という訳ではなさそうだし、どれだけ役に立つのか予想がつかなかった。そしてゲーム内の仕様を考えると、金装備は壊れやすいのが難点だ。
「おんりー王の装備品はこちらにあります」
「え」
 思わぬ言葉に振り向くと、護衛ピグリンは何の変哲もない壁の前に立っていてこちらを見つめ返していた。それから手を壁に当てると、ガコンと音が鳴り、あっという間に隠し扉が開いたのである。
「やっぱりここ、ゲームとは違うんだ……」
「何か言いましたか、おんりー王?」
「あ、いや、なんでもないなんでもない」
 現実離れ、否ゲームとはやや離れたこの世界観に今更緊張感を持ちながら、どうぞこちらへと言われるがまま隠し扉の奥へ入ると、そこにはネザライト装備がフルセットで鎮座していて一瞬息を飲んだ。
「え、これが俺の?」
「はい、もちろんです」
 そうして俺はネザライト装備に身を固め、ネザライトの剣を手にしたところで別のピグリンがやって来た。
「兵の準備が出来ました」
 いよいよ、出発の時だ。
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