第29章 そして
そうして、ブルートドラゴンを討伐した俺はピグリンの国中で褒め称えられ、中にはピグリンブルートにも感謝された。
まるで本当に、この国の王様になった気分だった。
祝杯を挙げようとゴエイくんにもクロスにも、なんならエヌにもそう誘われたが俺は丁寧に断り、そんなことより城や街の修復をしようと俺はピグリンたちの作業に加わった。
俺が損得関係なくピグリン助けをする人間だったとは、自分でも思わなかったが。
そして、なぜかデスポーンせずに残ったブルートドラゴンの亡骸はそのままにし、なんとエヌがブラックストーンレンガを積み上げて遺跡のように囲って装飾して柵の中に閉じ込めた。この巨大なドラゴンを討伐した英雄王がいたと、後世に語り継ぐんだそうだ。
TNTを振り回すし、建築は上手いし、まるでエヌはどっかの知り合いみたいだった。
そして俺は、せめてもと城の修復をし終えた頃、休憩をしようと各々腰を落ち着けたピグリンたちの合間をこっそり抜けて外に出た。
そこは、ドラゴンとの最終決戦場となったネザー荒野とガストバイオームの境目となっていて、エヌが作ったドラゴンの遺跡が見える以外は何もなく、近くのマグマがボコボコと音を立てるばかりだった。