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俺、ピグリン王になったみたいです

第27章 最終決戦(中編)


「大丈夫か……っ?」
 サングラスピグリンは地面に転がってなんとか自分の体にまとわりついた火を消していたが、大ダメージのようで立ち上がろうとしてふらついた。
「もう無理しなくていいから……」
 サングラスピグリンの体を肩で支えながら言った自分の声が、思っていた以上に震えていて俺は驚いた。マグマバケツを持っていたから……なんて考えは今は押し退けて安全そうなところにピグリンを連れて行こうとしたが。
「小賢しい! この俺にマグマを掛けるとは!」
 ドラゴンの怒りはますますヒートアップしていた。
 ドラゴンはその大きな両翼をバタつかせて空を飛んでいた。突如湧いたガストが飛ばしてきた火の玉をドラゴンは素手で消し潰し、引っ掻き技でデスポーンさせてもなお収まらず、耳を劈く程大きな咆哮を上げた。俺はピグリンを抱えたまま一緒に倒れてしまった。
「あっ、ごめんよ……」
「いいよ、俺のことなんて。突っ込んだのは俺だし」
 と言うピグリンは既にサングラスなんて掛けてはいなく、よくいるどこにでもいるピグリンのようにも見えた。少しだけ、ゴエイくんたちよりは背が低く見えるところ、まだまだ子どもなんだろうなと思った。
「なぁ、王様、知ってるか?」
 こんな状況で何を語り始めるのか、ピグリンがゆっくりと話し出した。
「……何?」
 遺言なんてやめてよと思いながらそれを言葉に出来ないまま、話の続きを待った。
「金って、溶けたら毒になるんだよ。異世界から来た王は知らないかもしれないけど、俺たちは金をマグマで溶かしてクロスボウの矢に金を塗るんだ……」
「え……」
「そこで何をコソコソ話していやがる!!!!」
 何を言っているんだ、という俺の声はドラゴンの大声で掻き消された。周辺のモブは倒し切ったようである。次は俺達が標的のようだ。
「次はかわせない程大きな火を吹いてやる!」
 そう言ってドラゴンは火吹きの予備動作を始めた。次は飛んでかわすことは難しいと判断した。俺はブロックへと持ち物を持ち替えた……。
「ドラゴンの腹に、毒の矢を刺したんだ……」
 直後、ピグリンが小さく囁いた。
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