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俺、ピグリン王になったみたいです

第26章 最終決戦(前編)


「小賢しい小賢しい小賢しい……!」しかし、ブルートドラゴンは俺たちに余裕ある会話をさせる気はないようだった。「弱い生き物の分際でなおも生にしがみつくとは小賢しい!」
 放り投げたピグリン親子が助かったのが相当腹が立つのか、ドラゴンは天井に向かって荒々しく火を噴いた。
「みんなを避難させて」
 同じ失敗を繰り返さないために、俺はすぐに兵にそう指示をした。兵は「はっ」と素早く返事をし、ピグリン親子や他のピグリンたちを連れてどこかへと走り去った。
「……で、あれはなんなの?」
 残された生意気な……否、エリトラを身につけたサングラスピグリンが、怒りで我を失ったかのようにその場で暴れるドラゴンを目で指した。俺は答えた。
「あれがブルートドラゴンだよ」
「へぇ……ブルートドラゴンって、案外ダサいんだな」
「なんだとぉ?!」
 こういう会話だけは聞こえていたらしく、ドラゴンはそう言って勢いよくこちらへ顔を寄せてきた。
「だーかーらー、ダサいって言ったんだよ!」
「その口、二度と利けなくしてやる!」
 煽るんじゃないよ、と言ったところで時すでに遅し。サングラスピグリンは目前のドラゴンに負けず劣らず声を張り上げて言い返している。ドラゴンの怒りは最高潮に達したところだろう。
「グゥオオオオオオ!!!!」
 ドラゴンは首を大きく振りながら天井に向かって咆哮した。さすがにこんな間近でドラゴンに吠えられては空気が震えるどころか地形すら影響し、あちこちのネザーラックがボロボロと崩れかけた。
 しかし煽った当の本人は怯えることなくニヤリとし、ロケット花火を取り出した。
「お前も飛べるんだろ、王様?」
 大人に成長してサングラスを掛けたピグリンは、子どもだった時と変わらずな口調でこちらを振り見た。
「まぁね」
 俺はそう返事をし、ドラゴンが頭を振り下ろしながら火を吹いた瞬間、ロケット花火に着火して飛び立った。
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